——どこで教えるべきか?
日本語を教えたい。そう思ったとき、かつては日本語学校や大学の求人を探すしかありませんでした。しかし今は違います。パソコン一台とインターネット環境さえあれば、世界中の学習者に日本語を教えることができる時代。
オンライン語学レッスン市場は年々拡大しており、日本語学習者の需要も右肩上がりを続けています。アニメ・マンガ・ゲームへの関心、日本企業でのキャリア、日本移住の計画など、学習動機は多様。その需要を取り込むプラットフォームも複数存在し、それぞれ特徴が異なります。
本記事では、代表的なプラットフォームを徹底比較し、あなたの状況に最も合った選択肢を見つける手助けをします。
世界最大級のオンライン語学学習プラットフォーム。190カ国以上の学習者が利用しており、教師側のユーザー数も非常に多いと感じます。
italkiには「プロ教師(Professional Teacher)」と「コミュニティチューター(Community Tutor)」の2種類があります。
レッスン料金の約15%がitalkiの手数料として差し引かれるます。つまり教師の取り分は約85%。これは主要プラットフォームの中でも高い水準ではないでしょうか。
料金は教師が自由に設定できる。日本語のコミュニティチューターは1時間あたり10〜20ドル程度から、プロ教師は20〜60ドル以上と幅広いです。
2012年創業のウクライナ発のプラットフォームで、現在はアメリカに本社が置かれています。企業向けB2Bサービスにも力を入れており、法人クライアントからの需要もあります。
Preplyの手数料体系は独特。最初の授業では最大100%(全額)がPreplyに入り、その後は生徒との授業時間が増えるにつれて手数料率が下がっていく仕組みになっています。
長く続けるほど手取りが増える設計だが、最初のハードルが高い点は覚悟が必要です。
もともと英会話特化のプラットフォームとして知られていますが、日本語を含む他言語のチューターも登録できます。ただし日本語教師としての需要はitalkiやPreplyより低いです。
報酬は1分あたり約0.17ドル(1時間で約10.2ドル)。固定レートのため料金設定の自由はありません。その代わり、レッスンの準備なしに話せる「オンデマンド」形式で収入を得られる手軽さがあります。
品質にこだわった教師審査が特徴のプラットフォーム。教師登録には面接や書類選考があり、合格率は高くないと感じます。その分、登録されれば「選ばれた教師」という信頼性があります。手数料はレッスン料金の約30%(教師の取り分70%)。
フランス発のプラットフォームで、ヨーロッパ・中南米で強い人気を誇っています。対面レッスンとオンラインレッスンの両方に対応しており、ヨーロッパ在住の日本語教師には選択肢になり得ます。月額プラン(約25ユーロ)を支払えば手数料ゼロ。フリープランでは最初の10時間のレッスン料の10%が手数料となります。
| italki | Preply | Cambly | Verbling | |
|---|---|---|---|---|
| 手数料 | 約15% | 18〜100% | 固定レート | 約30% |
| 資格要否 | 不要(チューター) | 不要 | 不要 | 審査あり |
| 料金自由度 | 高い | 高い | なし | 高い |
| 生徒数(規模) | 非常に多い | 多い | 中程度 | 少なめ |
| 日本語需要 | 高い | 中〜高い | 低め | 中程度 |
| 初心者向け | ◎ | △ | ◎ | △ |
| 稼ぎやすさ(長期) | ◎ | ○ | △ | ○ |
手数料は単純なパーセンテージだけで比較してはいけません。たとえばPreplyは長期的には手数料が下がりますが、最初の期間は手取りが少ないです。italkiは終始15%と安定しており、単価設定の自由もあります。
月に30時間教えると仮定した場合の試算:
| プラットフォーム | 時給設定 | 計算 | 月収(目安) |
|---|---|---|---|
| italki | 20ドル | 20 × 30 × 0.85 | 510ドル |
| Preply(初期段階) | 20ドル | 20 × 30 × 0.67 | 402ドル |
| Preply(200時間超) | 20ドル | 20 × 30 × 0.82 | 492ドル |
どれだけ優れた教師でも、生徒が来なければ収入になりません。italkiは世界的に最大規模の学習者ベースを持ち、日本語教師への需要も安定して高いです。プロフィールを充実させ、トライアルレッスンの価格を低めに設定することで、最初の数ヶ月で生徒をつかむことができます。
Preplyも検索エンジン経由で多くの学習者を集めているが、アルゴリズムが教師の「Preply内での活動量」を重視するため、始めたばかりの頃は露出が低くなりやすいです。
italkiとVerblingは教材・カリキュラム・授業スタイルをすべて教師が決められます。自分のメソッドで教えたい、オリジナルテキストを使いたい、という人には向いていると感じます。Preplyはカリキュラムのガイドラインがあり、使用するビデオツールも指定されています。自由度は低いですが、「何を教えればいいかわからない」という初心者にとっては助かる面もあります。
単発の新規生徒ばかりだと収入が安定しにくいです。Preplyは「定期購読型」のレッスンパッケージを推奨しており、継続レッスンになりやすい構造を持っています。italkiはコース(複数回レッスンのまとめ買い)機能を使って同様の効果を狙えます。
italkiはPayPalやPayoneerでの支払いに対応しており、日本在住者でも利用しやすいのではないでしょうか。Preplyも同様にPayPalやStripe経由の支払いが可能。日本在住の場合、一定以上の収入になると確定申告が必要になる点も注意が必要です。
多くの経験豊富な日本語教師が実践しているのが、複数プラットフォームの並行活用です。たとえば:
最終的にはプラットフォームを「入口」として使い、独自のブランドを構築していくことが、長期的な収入安定につながります。
italkiもPreplyも、プロフィール動画の有無が生徒の選択に大きく影響します。顔出しで日本語と英語を交えて自己紹介する1〜2分の動画を用意しましょう。スマートフォンで撮影したもので十分ですが、背景・照明・音声は整えること。
最初のうちは実績がなく、レビューもありません。トライアルレッスンを通常の半額程度に設定し、まず数名の生徒にレッスンを受けてもらうことを優先しましょう。良いレビューがつき始めると、新規生徒が集まりやすくなります。
ただ「日本語を教えます」だけでは数ある教師のなかで埋もれてしまいます。「ビジネス日本語専門」「JLPT N2・N1対策」「アニメ・マンガ好きのための日常会話」など、特定のニーズにフォーカスしたプロフィール設定が効果的です。
最初の生徒へのレッスンの質がその後のレビュー・口コミに直結します。丁寧なフォローアップ、次回レッスンへの具体的な提案、進捗の可視化など、「また受けたい」と思ってもらえる体験を提供するように心がけましょう。
italkiのコミュニティチューターやCamblyでは不要。ただしPreplyやVerblingでは資格があるほうがプロフィールの信頼性が上がり、検索で有利になります。日本語教師として本格的に活動するなら、日本語教育能力検定試験(NAFL)や420時間コースの修了は、プロとしての信頼性向上に役立ちます。
英語話者向けのレッスンが最も多いが、必須ではありません。italkiでは韓国語・中国語・スペイン語などを母語とする生徒へのレッスンも可能で、プロフィールに対応言語を記載できます。英語ができなくても、日本語のみで教えるスタイルで活動している教師も多いです。
副業レベルで月に15〜30時間教えると、月3万〜7万円程度が現実的な目安(時給設定・手数料・稼働率による)。フルタイムで教える場合は月10万円以上を目指す教師も多いですが、生徒の獲得と維持に数ヶ月の時間がかかることは覚悟しておきましょう。
結論を一言で言えば、最初はitalkiから始めるのがおすすめ。
登録のハードルが低く、プラットフォームの規模が大きいため生徒が見つかりやすく、手数料も長期的に安定しているからです。料金・スケジュール・教材をすべて自分でコントロールできる点も、自分のスタイルを確立するうえで重要です。
しかし、教師側にとって人気があるサイトのため、募集枠が「close」になっている確率が高いです。「open」になっていたら、すぐにでも申し込みましょう。
慣れてきたら、Preplyを並行して始め、定期生徒の基盤を作りましょう。さらに余力があればSNSでの情報発信やYouTubeを組み合わせ、プラットフォームに依存しない集客経路を育てていく——これが多くの成功している日本語教師が歩んでいるルートです。
完璧なプラットフォームは存在しません。大切なのは、一歩踏み出すこと。まずプロフィールを作り、最初の生徒と向き合う経験を積めば、自分に合うやり方が自然と見えてくるでしょう。
本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。各プラットフォームの手数料や規約は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。